受傷から234日: 治療を受けにやってきました in USA

突然ですが、

今アメリカのニューオリンズにいます。

 

12月に退院後、

3日間のテンプラーナ早期介入療法ホームトレーニング

東京から関西への引っ越し

新たな親子(母子)入院に向けての診察(ボバース記念病院と大手前整肢園)

・新たな主治医の診察

・役所関係の申請

・療育関係の相談

その合間に…

京都でJKAのレッスン

5日間のABM集中レッスン

・テンプラーナのフォローアップ

など、かなりバタバタした日々を過ごしてきました。(ブログの更新が滞っていたのもそのせいです💦と言い訳してみる🙄)

1ヶ月の間に予定をギュギュッと詰め込んだ理由は、このアメリカ行きの予定があったからでした。

↑ 退院後すぐから、かなりのハードスケジュール… インフルエンザが大流行してましたし、とにかく風邪を引かせないために色々と対策はしましたが、渡米直前までドキドキしていました💧

 

そして昨日、時差調整のために4日間ほど滞在したサンフランシスコから、ルイジアナ州のニューオリンズに到着したところ。

受傷後の医療搬送時はかなり大変でしたし、頭の怪我で気圧の変化も受けやすいはずなので、日本からの長時間の飛行機にはドキドキしましたが、夜便で息子の席も用意して、飛行時間中ほとんど寝かせていたので、特に問題なく乗り切ってくれました。

 

ニューオリンズには2ヶ月ほど滞在して、息子はHBOTという治療を受ける予定です。

HBOTとはHyperbaric  Oxygen Therapyの略で、日本語で高気圧酸素治療のこと。

日本でもアスリートなどが疲労回復や怪我の回復を促すために高気圧で高濃度の酸素が充満するチャンバーに入って治療をしますが、同じものです。

大人の脳梗塞患者なども機能回復のための保険治療が可能です。

この治療を知ったきっかけは、脳死宣告が撤回された後、何かできることはないかと必死で探していた時に、夫が見つけてきたネット記事でした。

英語記事(CNN) ↓

https://www-m.cnn.com/2017/07/21/health/oxygen-therapy-drowning-brain-damage/index.html

日本語記事 ↓

https://www.carenet.com/news/general/hdn/44390

 

プールの事故で低酸素脳症になった2歳の女の子が、HBOTで奇跡的な回復を見せたというのです。

低酸素脳症はTBI(外傷性脳損傷)とはもちろん違いますが、同じように組織に大きなダメージを受けすでに萎縮が始まっていた脳でも、治療により劇的な回復を見せたことは、大いに私たちを勇気付けてくれました。

TBIにも効果があるのではと、HBOTに関連する論文には片っ端から目を通し、ざっくりわかったことは…

・急性期にHBOTを行うことで脳膨張を抑制する効果があること

・慢性期の患者であっても、回復を促す効果が期待できること

 

この記事を見つけたのは、受傷から2週間ほど経ってからでした。

すでに手術後の頭蓋内圧の上昇により、脳の大部分がダメージを負った後のことです。

受傷直後、脳が腫れ上がってしまう前にHBOTを受けさせることは叶いませんでした。(急性期の治療にも賛否両論あり、環境が揃っていたとしても治療を受けていたかは別の話ですが)

しかし、記事の女の子も治療を受け始めたのは事故から2ヶ月経ってからです。

息子がもし急性期を乗り越えたとしても治療として脳の回復にアプローチできることは何もないと言われていた中、HBOTは大きな希望でした。

 

そして、幸運なことに日本にはHBOTが受けられる病院がいくつかあることもわかりました。

帰国後にお世話になった脳神経科の先生は懐疑的でしたが、聞くだけ聞いてみようと都内の病院に問い合わせたのです。

まだ幼い息子が1人でチャンバーに入る訳にはいかないため、複数人が同時に入れる大型の施設を持っている病院に掛け合いました。

説得材料として論文や新聞記事を持ちこみ、直接医師に会ってお願いもしてみましたが、幼児の治療の前例がないこと、先生方の経験則ではHBOTによりてんかん発作が出やすいことを理由に断られてしまいました。

その時は唯一の希望だと思っていたので、とても落ち込みました。

 

大型の施設に絞ったためかもしれませんが、日本では小さな子どもの高気圧酸素治療は基本的に受け付けてくれません。(※1)

“こんな小さな子に受けさせるなんて聞いたこともありません”と驚かれ、”発作のリスクが大きい割に効果については疑問があるし、本当に息子さんのためになりますか?”…と。

確かに各国の論文を調べても、HBOTで脳障害からの機能回復の可能性は示しても、確実なエビデンスはありません。

しかし、よく読み込んでみると、そもそも脳機能の改善に関しては評価方法自体が難しいという側面もあるようなのです。

HBOTに望みをかけていたという色眼鏡もあったと思いますが、エビデンスがないから効果がないとは言い切れないなと思ったのです。

 

あくまでも個人調べや人から聞いた話ではありますが、アメリカでHBOTが受けられるのはもちろん(幼児を治療してくれるところは少ないようですが)、ロシアではTBIや脳性麻痺の子どもたちは保険治療で受けられるそうですし、その他の国も当たり前のようにHBOTが受けられる国をいくつか見つけました。

ここまで広く行われている治療なのだから多少のリスクはあったとしても、危険すぎることはないはず…と、居ても立ってもいられなくなり、きっかけになった新聞記事に載っていたアメリカの医師に直接連絡を取ってみたのです。

Home

Dr.Harchは息子の脳の画像や診療情報を見て丁寧にコンサルをしてくれて、できるだけ早く来てください、今の彼のためにできる最良の選択だと思います、と二つ返事でした。

イスラエルにもHBOTで著名なドクターがいるようでしたが、アメリカには他にも試したいセラピー等があったので、Dr.Harchの元でお世話になることに決めました。

 

問題は費用でした。

治療費については、”アメリカで治療を受ける”という響きから受ける印象よりは、だいぶ安いです。(また今後、実際にかかった費用についてまとめたいと思います)

前回の帰国時にかかった医療費を皆様に助けていただいてから時間があまり経っていませんし、ご想像の通り我が家の台所事情は非常に苦しいですが、もし国内で受けられたとしても保険治療の対象外であり同様の料金がかかることが予想できること(※2)、またニューオリンズではマクドナルドハウスの滞在が可能なこと(家族で$10/1泊)が後押ししてくれました。

そして、クラウドファンディングの後も、クラウドファンディングに参加できなかったからとか、困ったことがあったら言ってねと、支援してくださる人もいて、わたしたちはとても恵まれているなと思います。

本当にありがとうございます😊

金銭的な問題は何とかクリアできそうだったので、日々の息子の成長具合、私たち夫婦が何を息子のために選択して与えてあげられるか、さまざまな面から考えて、やらずに後悔するよりはよっぽどマシだと渡米に踏み切りました。

 

 

余談ですが、今回のアメリカ行きに関して夫の決断が非常に早く、彼の性格を知ってはいたものの、少し驚きました。

わたし自身悩むところはまだたくさんあったのですが、アメリカの病院が受け入れてくれると知ると、即断でした。

その日のうちにスケジュールや資金計画を立て、1週間後には会社を辞めますと上司に伝えていたのです。

会社を辞めるということに関しては、今後のライフスタイルについて悩んでいた時期だったので、今回のことが決断するきっかけにはなったかもしれません。

でも、いざ何かを決める時に迷いがないのは、常に頭の中で色々な可能性を予測して考えているからこそなのだと思います。

誤解されがちですが、無鉄砲なわけではなく、実は石橋を叩いて渡るタイプです。

元来大雑把な性格で、運と勢いで生きているわたしは、いつもたくさん助けてもらっています💦

 

そんなわけで、家族3人でアメリカに来ています。

夫婦揃って無職ですが、旅行気分というか、一種の休暇をもらったような感じです。

この選択を応援して、支えてくれた周りの方々に心から感謝しています。

特に、夫の仕事関係の方々。

息子が怪我をした時から本当に便宜を図っていただき、とても良くしていただいて、今回も急な話にも関わらず快く送り出してくださいました。

本当に言葉がありません。

息子の受傷から後、バタバタな毎日を送ってきて、心身ともに少し疲れを感じていたので、家族で少しのんびりしたいと思います。

 

回復のピークだと言われた受傷から6ヶ月はすでに過ぎましたが(7ヶ月半です)、退院から2ヶ月経っても息子の変化は衰えるどころか、むしろ加速しているような気すらします。

退院後から始めたテンプラーナやJKA、ABMがとても息子には合っていたこと、それを早い時期に探しあてられたことはとても幸運なことだったなと思います。

そして、今回の治療も同じように息子にプラスに働きますように。

長年の経験と実績があるクリニックで治療を受けられるのは何よりです。

ここには、そうして調べて行き着いて国内外から治療を受けにきた親子がたくさんいます。

今後の息子の様子もお伝えします。

同じように治療を受けようか迷っている方の参考になれば幸いです。

 

※1 今回Dr.Harchの元で受けるHBOTは、1人用のチャンバーに親子で入るもので、日本にも同じ形のチャンバーを持ったいる施設はたくさんあるので、もしかしたら小さな子でも治療が受けられるところはあるのかもしれません。最初に問い合わせた病院は、治療方法を検討するとしたら、必ず小児科医が付きそう形で治療を行わなければならない、という話でした。

※2 診療報酬早見表には、”重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫”とありましたが、病院に聞いたところ、息子の場合はすでに慢性期に入っているためか保険診療ではないということです。

 

「受傷から234日: 治療を受けにやってきました in USA」への2件のフィードバック

  1. 皆さんお元気そうで良かった!トウヤ君写真かわいい💕、おっと、むしろ男らしい!!これからの成長が楽しみですねぇ。

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    1. Norikoさん
      とても元気ですよ〜!気温の変化のせいか、疲れか…わたしだけ少し風邪をひきました💦
      表情がどんどん変わってきているので、次お会いするのが楽しみです😆

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