フェニックスの眼科医、Dr.Cassidyのクリニックに行ってきました。
年末まで予約はいっぱいでしたが、Michelleの紹介で、なんとか滞在中に診察を受けることができました。
結果、とても良かった。
今後、彼の診察を受けるために戻って来ようと思えるほど、良かったです。
ただ、それはあまり現実的でないので、日本でも諦めずに、もっと眼科医を探そうと思います。
看護師との問診の後、瞳孔を開く目薬を入れて40分。
ここまではいつも通りの流れで、慣れたもの。
Dr.Cassidyは機械も何も使わず、手元に豆ライトと、時々光るおもちゃに持ち替えて、暗い部屋の中で、本当にいとも簡単に検査をしてくれました。
ものの30秒で、「大丈夫、息子さんは間違いなく見えています。」と。
光の当てる角度や、おもちゃでの視線の誘導が驚くほどうまく、息子を抑える必要もなく、私たちはただ見守ること10分。
今の息子の目の状態を詳しく説明してくれました。
・左右ともNearsightedness(近視)がある
・さらに右目だけ強いAstigmastism(乱視)がある
・今は左目を利き目として見ていて、右目はほとんど反応していない
・視野の欠損はなく、全方向反応がある
・左に目が偏りがちなのは筋肉の麻痺によってであり、視野には関係ない
・眼球の中に傷はない
・神経のレベルは左右とも0〜4の中で、レベル2
・CVIは1〜10の中で、レベル1〜2
・メガネとパッチでの治療を勧める
これだけ指摘されて、びっくり。
ここまでわかるなら、今までの診断は何だったんだろう…と💦
たまたま相性が悪かったんだろうか。
驚きの発見がいくつもありました。
先日のDianeの指摘通り、息子は基本的に左目で見ていて、右目ではほとんど見ていないそうです。
わたしは全く逆だと思っていました。
なぜなら、日本でも眼科医にそう指摘されたことがあったからです。
「おそらく何か見えるとしたら右目で見ていて、左目は見えていないね」と。
息子は受傷後、動眼神経麻痺により、1〜2ヶ月ほど左目を開けることができず、閉じたままでした。
未だに左目の開き方は9割程度で、完全に元には戻っていません。
だから、目の位置がズレていると感じるのも左目ですし、動きも悪い。
異常があるのは左目で、右目で見ているものだとばかり思っていました。
でも、実際に見ていたのは”左目”。
左側におもちゃがあった方が反応が良いのは、左目の方が見やすく視界に入るから。
右側におもちゃを置いても反応がないのは、右目を使っていないため、視界が狭くなっているから。
右目の乱視が強いことと、斜視のため、右目を無視する形で左目を使っているそうです。
今の息子の右目の見え方を、レンズを使って私たちに実際に見せてくれましたが、確かに見づらい。
すでに両目を使うことに慣れている大人が、怪我などで斜視になった場合、ダブルビジョン(物が二重に見えること)になりますが、小さい子どもの場合、片方の目の機能を使わないこと、見えなくすることでバランスを取るのだとか。
つまり斜視がある場合は必ず、使わない方の目が弱視になっていて、しかも訓練しないと完全に失明してしまう可能性がある、と説明されました。
しかも、視力に関して、訓練を始めるのは、年齢が低ければ低い方がいいそうです。
そして、驚いたのは、今のところ視野の欠損は見られないと言われたところ。
ドクターがおもちゃで遊んでいるのを見ても、左側ばかりに反応するし、右側は反応がかなり遅く、これはおもちゃに反応したのか、たまたまそちらを見たのか…?というレベルだったのですが。
ドクターは全方向反応してますよと。
右目が自然にその機能をシャットダウンしているため、反応していないようにみえるけれど、視野の欠損は今のところ見られないそうです。(ただし、断定はせず)
つまり訓練をして右目を使うクセがつけば、左右全てを見渡せるということになります。
これは、予想外!
そして、とてもうれしい。
神経のダメージレベルは良くもなく悪すぎることもなく。
大人であれば、車の運転がかろうじてできるか…できないか、くらいだそうです。
ただ、これに関しては、眼球から覗けるのは視神経の入り口の方だけなので、成長した後に脳の中の方で大きなダメージがあることがわかることもあるそうです。
受傷直後の脳の腫れにより左脳と前頭葉を失った息子は、その可能性も大いにある。
そして、CVI(Cortial Visual Inpairment)。
CVIとは、簡単に言うと、脳障害などによって視神経から脳に入ったイメージの意味を判断、理解できない状態のこと。
脳に入ったイメージが正確に処理されないため、認知に大きく関わります。
CVIについては、詳しく別記事で書くつもりです。
神経の再生は最先端医療でないと難しいかもしれない、でもCVIは訓練によって改善する、だから希望があります、と断言されました。
私たちが一番知りたかったのは、ここです。
息子は見えているのか。
見えた映像を脳が理解しているのか。
そして改善のために、どのように訓練したらいいのか。
乱視を矯正して、情報が正確に脳に入ることが、まず第一に大切。
だから、そのために早速メガネもその場で作り、視力強化のためのパッチも購入しました。
今回、保険がないので、かかった料金は…
初診料 $125(検査代込み)
メガネ&パッチ $399(送料込み)
メガネもパッチも日本で処方箋があればお金をかけずに作れますが、日本ではメガネのめの字も出なかったので仕方ない。
日本中探し回って、処方箋を書いてくれる眼科医を見つける手間と時間と費用を考えれば、安いくらいです。
今回の診察で、息子の目に関して情報ゼロに近い状態から、現状と今後の予測、訓練の方法まで知れたことは本当に大きな成果でした。
来てよかった。
そして良い先生でよかった。
Dr.Cassidyはとても頭の良い人です。
かなり早口ですが、順序立ててシンプルな言葉で表現するので、100%理解できました。
CVIを持つ子どもたちを専門に診てきただけあって、見立ても説明も的を得ていて、今まで判然としなかった息子の目の状態が全て整理され、未だかつてない安心感です。
とても信頼できるドクターだと思います。
(もし、万が一、フェニックスに行かれることがあれば、100%おすすめします)
今後の経過をメールすることを約束して、お別れしました。
また、いつかお会いしたい先生です。
※ 過去の記事(5〜11月)の記事を順次公開しています
Movement Lesson#1: フェニックスのマクドナルドハウスのはなし
