幹細胞治療のはなし②: 施術方法の選択

ちょっと長いですが、ここを乗り越えないと息子の受けた治療について説明できないので、しばしご容赦を。
※個人的に集めた情報ですので、間違いがある可能性があります。また、わかりやすさを重視し簡易的に表現しているところがあります。

 

幹細胞治療には、由来や投与方法による違いがいくつかあります。

まず由来で分けると、生まれてきたときに保存していた臍帯血を使う自己臍帯血由来の幹細胞、臍帯血のドナーバンクから提供された②ドナー臍帯血由来の幹細胞、自分の脂肪や骨髄などから採取する自己脂肪または自己骨髄由来の幹細胞、など。

また、投与方法は静脈注射が主流ですが、最近は点鼻や腰椎穿刺による投与も増えています。

パナマは、②ドナー臍帯血由来の幹細胞を静脈注射する治療法。

一方メキシコは、③自分の骨髄由来の幹細胞を腰椎穿刺により注入する治療法です。

パナマやメキシコと書いていますが、実際は特定の施設やクリニックです。

 

ちなみに、前述したDuke大学で行われている脳性まひ児を対象とした治験は、①と②の2パターン受け入れていて、投与方法は静脈注射だそう。(現在、②の方は定員いっぱいで締め切っているようです)

パナマはドナーの臍帯血由来の幹細胞を、静脈注射で投与します。

自分な体から幹細胞を採取する必要もなく、しかも静脈注射での投与なので、施術が非常に簡単に終わります。

 

一方メキシコでは、まず最初の3日間は骨髄を増やす注射をします。(白血病治療などでも一般的に使われている薬です)

そして、4日目に腰の骨から骨髄を採取。

それを赤血球と白血球に分けスクリーニングし、赤血球を静脈注射で戻し、幹細胞が含まれるその他は脊椎から投与します。

※なぜ自分の骨髄から採取した幹細胞を、自分の脊椎内に戻すことに意味があるのか、後ほど説明します

採取と投与で、2回全身麻酔をします。

他の治療に比べて、骨髄を増やす薬や全身麻酔を使うので、幼児に施すにはかなりアグレッシブな治療と言えます。

実際に周りもリスクや医療環境の充実さを考えてメキシコよりもパナマを選ぶ人が多く、実際の体験談も聞くことができて安心感がありました。

 

では、なぜ私たちはメキシコを選んだのか。

それは、息子の脳障害には腰椎穿刺による投与がベストだと考えたからです。

私たちの体には、脳と脊椎の全体を覆うBlood Brain Barrier(血液脳関門)という膜のようなものが備わっています。

このBBBはその名の通り、私たちの体の中で最も大切な脳と中枢神経を守るバリアのような役目を果たすのですが、その機能ゆえ幹細胞のような大きな細胞を通しません。

そのため、幹細胞を脳で直接作用させようとすると、BBBの内側に注入しなければならない、ということになります。

腰椎穿刺で脊椎の中に注入するのは、そのためです。

だから、自分の骨髄の中で幹細胞を増やし、それを採取し、再度脊椎内に戻すことにも意味があるわけです。

メキシコのドクターは血液学の専門家で、この辺りをかなり詳細に説明してくれました。

 

一方、パナマにも静脈注射による投与を行う明確な理由があります。

それは、元々研究対象が自閉症児だったから。

自閉症は脳障害ですが、脳障害からくる特徴的な腸の炎症があることがよく知られており(腸は第2の脳とも言われていますよね)、これを治すことで脳を癒すという考え方のもと、治療を行っています。

この方法は、実際に治験でも成功をおさめていて、パナマは自閉症の患者さんがとても多いです。

また、BBBを通過する僅かな幹細胞もありますし、そのために培養して数を増やして投与するわけです。

BBBの問題があるのになぜ静脈から投与するのかが疑問だったので、直接パナマに聞いて返ってきた回答です。

だから外傷による脳障害には効くかわからないとはっきり言われました。

それでも希望するなら治療は可能です、と。

 

メキシコのドクターは、外傷の患者さんのケースをいくつか具体的に挙げて、治療が有効だとする根拠を説明してくれました。

そして、治療できます、と自信を持って言ってくれました。

とても心強かったです。

実際にお会いしてみると、息子の治療をお任せしたDr.Consueloは、とても信頼できる先生で、2回目以降もメキシコにしようと思える理由は、この先生がいらっしゃるからというところが大きいです。

彼女も、自身の名前で治験を成功させていますが、施術者自身が研究に携わっているクリニックは少ないので、信頼する1つの要素になりました。

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