アメリカでのHBOTを終え、アリゾナ・フェニックスで集中レッスンを受けた後、わたしたちはメキシコに向かいました。
幹細胞治療を受けるためです。
サンバイオの再生治療について以前書きましたが、あれも幹細胞治療の一種で、ドナー臍帯血由来の幹細胞を脳に直接埋め込む治療です。
幹細胞とは…
自分と同じ細胞を作る能力と、別な種類の細胞に分化する能力を持ち、際限なく増殖できる。
この能力により、発生や組織の再生を行うことができると考えられている。
参考: Wikipedia
つまり、幹細胞治療とは幹細胞を使って治療を行うことで、ダメージを負った体の組織を再生しようという試みです。
脳は元々再生しない臓器と言われてきました。
しかし、脳の可塑性(かそせい)が当たり前に言われるようになり、さらに最近のiPS細胞などに代表される再生医療の目覚ましい発展により、脳損傷にも治療的アプローチがあるのではという希望が生まれています。
さらに、脳性まひや自閉症などの脳障害だけでなく、糖尿病、心臓病、神経性疾患、脊髄損傷、整形分野まであらゆる研究が進められています。
実際に国内でも、成人の脳卒中患者や心臓病患者などへの幹細胞治療には認可が下りていて、すでに臨床での研究がされています。
わたしが一番最初に幹細胞治療について知識を得たのは、以前にも出たサンバイオの治験でした。
息子の受傷直後のことです。
そしてカナリハでの集中リハの入院時、国内の幹細胞治療の事情にとても詳しいママさんがいて、色々と情報交換をし、知らないことをたくさん教えていただきました。
でも、小児は特定の条件がなければ治療が受けられない…息子は当然対象外。
そしてアメリカに治療のため渡ったわけですが、そこで思わぬことを聞きました。
息子のような小さな子でも幹細胞治療が受けられる場所があるという話でした。
アメリカでもFDA(アメリカ食品医薬品局)がかなり厳しく、幹細胞の培養(※複製して増やすこと)は研究機関以外には認められていません。
現在、アメリカのDuke大学が大々的に脳性麻痺児に対する幹細胞治療の治験を行なっていて、多くの患者さんがウェイティングリスト待ちをしています。
そのほかにもStem Cell Therapyと銘打っているクリニックはアメリカにも沢山ありましたが、情報通のママさんたちによると、培養が許可されていない以上、アメリカ国内にはまともな治療をしているところはほとんどないと。(探しきれていないだけかも?)
では、アメリカの人たちは幹細胞治療を受けるためにどこに行くのかと聞くと、なんとパナマやメキシコに行く、と言うのです。
特にパナマはアメリカ人の幹細胞治療の著名な研究者が、アメリカでは培養禁止されているからと、わざわざパナマに培養施設を作り、そこで治療を提供しています。
そんな話を聞いて、もしかしたら諦めていた幹細胞治療が、海外で受けられるかもしれない!と希望が生まれたのです。
それからは、とにかくリサーチにリサーチを重ねました。
HBOTはどちらかというとAlternativeというか、代替療法に近いですが、幹細胞治療となると、ちょっとレベルが違う気がする…気合い入れて調べなきゃと。
すると、世界中で幹細胞治療に関する情報が山ほど出てくる。
パナマ、メキシコ、インド、東南アジア、東欧…
国名だけを聞くと正直不安になりますよね。
さらに再生医療という甘い蜜に目をつけた詐欺のようなものも沢山あって、情報を1つずつ精査しながら、安全性は保たれているのか、そして本当に息子が受けるべき治療なのか、悩みました。
夫にも集めた情報をプレゼンしながら、最後の最後まで夫婦で膝を突き合わせて、悩みに悩みました。
そして、最終的に旅程を変更してメキシコで幹細胞治療を受けることを決めたのです。
2月にHBOTを始めて、メキシコに行こうと決めたのが3月でした。
HBOTを終えて、集中リハを受けながら日程調整をして、4月末にメキシコへ。
今回お世話になったのはモンテレイにあるHOSTという会社です。
そして、幹細胞治療を受けて無事に帰ってきました。

続きます!